切っても切っても生えてくる!
竹の生命力と繁殖力は、強い。
北九州市は、福岡県北部に位置する九州第2位の人口を有する都市で、市域面積の約4割(約19,000ha)を森林が占めています。このうち、竹林は、森林面積の1割以上の約1,900haです。日本有数の品質で知られる「合馬たけのこ」の生産等で活用されているのは約150haほどであり、残りの竹林は適切な管理がなされていない竹林、いわゆる「放置竹林」であると推定されます。
北九州市各区の区域面積に占める森林の割合
森林面積における放置竹林の割合
ずば抜けた成長速度で、縦にも横にも伸びる!
- 竹には節ごとに、細胞が分裂して成長する「成長点」と呼ばれる部分があります。一般の樹木だと成長点は根や茎の先端にしかありません。ところが竹はすべての節に成長点があるため、仮に節が40個あってそれぞれの成長点が1日に1センチメートルずつ伸びれば、稈は1日で一気に40センチメートル成長することになります。これが竹の成長が早い理由です。
- 毎年地下茎の節にある芽からたけのこが生じ、半年もすると立派な若竹に成長します。樹木で幹に当たる部分を「稈(かん)」と呼びますが、稈には節があり、中は空洞になっています。著しく成長する稈同様、地下茎も生命力が旺盛で、横にぐんぐん伸長していきます。最大で1年に5メートルから8メートルも地下茎が伸びた記録があるほど、竹は繁殖力が強いことが特徴です。
資料:農林水産省発行Webマガジン「aff(あふ) 」より抜粋
たけのこ栽培などのために植えられた竹が、管理されなくなり放置竹林となってしまった理由は、所有者の高齢化や、担い手不足、輸入材の増加など、様々です。竹林は管理されなくなると、地下茎を伸ばして周囲の森林へ侵入し、拡大していきます。竹の密度が高くなると林内は暗くなり、下草が生えることも人が入ることもままならない状態になります。また、元々そこにあった木々の成長を妨げます。竹の侵入によって荒廃した森林は、水源涵養や土砂災害防止など公益的機能が発揮できなくなることが懸念されます。
一方、竹はその成長の速さと繁殖力から、竹チップやセルロースナノファイバーなど、資源としての利活用が検討されています。北九州市はこれらの活動を支援することにより、放置竹林を管理竹林に転換して、地域の活性化につなげたいと考えています。